
「安全対策はやっている。でも事故が減らない。」
そのような声を、運送会社の経営者・管理職の方から多くいただきます。ドライブレコーダーを導入した、安全教育を実施した、それでも追突事故や構内でのヒヤリハットが繰り返される。その原因の多くは、対策が「場当たり的な単品導入」に留まっており、リスク全体を俯瞰した設計ができていない点にあります。
事業用自動車の交通事故件数は令和5年(2023年)時点で年間23,606件、陸上貨物運送事業における労働災害の死傷者数は16,292人(令和6年)と、依然として高い水準が続いています。国が「事業用自動車総合安全プラン2025」の目標達成が厳しいと認めるなか、令和12年(2030年)を見据えた新たなプランの策定も進んでいます。商用車・産業車両の事故を減らすための取り組みは、もはや任意ではなく経営上の必須課題となっています。
本ガイドでは、運送会社・フォークリフト・建設現場・自治体車両といった商用車・産業車両全般にわたる事故リスクの全体像を整理します。そのうえで、テレマティクス・AI・センサーといった最新技術を活用した安全対策を、「なぜその対策が必要なのか」という課題の背景から体系的に解説します。