ガソリン価格高騰の時代、車両データで燃料費を削減できるのか?
コラム

近年、ガソリン価格の高騰が企業活動に大きな影響を与えています。配送車など複数の車両を保有する企業にとって、燃料費は日々の業務に直結する重要なコストです。
特に物流企業やフィールドサービス、営業車両を多く持つ企業では、燃料費の上昇はそのまま経営負担につながります。また物流企業や配送事業者では、燃料費が数千万円規模に達することも珍しくなく、燃料費は人件費に次ぐ大きなコスト項目となるケースもあり、燃料価格の変動は経営に直接影響を与える要因となっています。
燃料価格は国際情勢や原油市場の影響を受けやすく、企業側でコントロールできる要素ではありません。そのため、企業にとっては「価格が上がったときにどう対応するか」が重要な経営課題となります。
こうした状況の中で注目されているのが、車両データを活用したフリート管理です。車両から取得できるさまざまなデータを分析することで、燃料消費の無駄を見つけ出し、効率的な車両運用を実現する取り組みが広がりつつあります。
燃費は「運転」で大きく変わる

一般的に燃費は車種やエンジン性能によって決まると思われがちですが、実際には運転方法や車両の使い方によって大きく変化します。
例えば、次のような運転は燃費を悪化させる代表的な要因です。
- 急加速・急ブレーキ
- 長時間のアイドリング
- 不必要な高速走行
- 渋滞の多いルートの利用
- 不効率な配送ルート
急加速や急ブレーキが多い運転は燃料消費を増加させるだけでなく、車両部品の摩耗を早める原因にもなります。また、アイドリングの時間が長いと、走行していないにもかかわらず燃料を消費してしまいます。
こうした運転が日常的に発生すると、燃料消費は想像以上に増えてしまいます。
しかし問題は、企業が複数の車両を管理している場合、それぞれの車両の運転状況を把握することが難しいという点です。運転のクセや車両の使用状況はドライバーごとに異なるため、現場任せの管理では燃費改善の取り組みを継続することが難しい場合もあります。
その結果、燃料費の増加要因が把握できず、改善の機会を逃してしまうケースも少なくありません。
車両データが燃費改善の鍵になる

こうした課題を解決する方法として注目されているのが、フリートマネジメントシステムです。
最新のフリートマネジメントシステムでは、車両に取り付けたデバイスから走行データを取得し、クラウド上で管理・分析を行います。車両から得られるデータを活用することで、これまで把握が難しかった運転状況や車両の利用状況を可視化することができます。
例えば、車両に専用デバイスを装着することで、以下のようなデータを取得できます。
- 走行距離
- 燃料消費量
- アイドリング時間
- 急加速・急ブレーキ
- 速度
- 位置情報
- エンジン状態
こうしたデータを分析することで、どの車両が燃料を多く消費しているのか、なぜ燃費が悪化しているのかを把握することができます。
例えば、アイドリング時間が長い車両や急加速が多い車両を特定することで、運転改善のポイントを明確にすることが可能になります。また、走行ルートを分析することで、より効率的な移動経路を検討することもできます。
代表的なフリートマネジメントシステムの一つが、Geotabが提供する管理プラットフォームです。
同社のデバイスであるGO9を車両に接続することで、走行データをクラウド上で管理し、車両の運行状況や運転行動をリアルタイムで把握することが可能になります。
これにより、管理者は車両の利用状況を客観的なデータとして把握でき、燃費改善に向けた具体的な施策を検討することができるようになります。GO9を車両に接続することで、走行データをクラウド上で管理し、運転行動や燃費状況を分析することが可能になります。
燃料コスト削減だけではないメリット

車両データの活用は、燃料費の削減だけにとどまりません。
例えば、以下のようなメリットも期待できます。
- 安全運転の促進
- 車両メンテナンスの最適化
- 配送ルートの効率化
- 稼働状況の可視化
- CO₂排出量の削減
急加速や急ブレーキの回数を可視化することで、安全運転の意識を高めることができます。また、車両の稼働状況やエンジン状態を把握することで、メンテナンスのタイミングを適切に判断できるようになります。
さらに、効率的なルートを検討することで走行距離を削減できれば、燃料消費だけでなく運行時間の短縮にもつながります。
近年はESGや脱炭素への関心も高まっており、企業にはCO₂排出量の削減が求められる場面も増えています。車両データを活用することで、燃料消費量や排出量を可視化できるため、環境対策としての取り組みにもつながります。
燃料価格が不安定な時代のフリート管理

エネルギー価格は国際情勢や市場の影響を受けやすく、今後も価格変動が続く可能性があります。企業としては燃料価格そのものをコントロールすることは難しいため、車両運用の効率化によってコストを抑える取り組みが重要になります。
そのような状況の中で有効な手段の一つが、車両データを活用したフリート管理です。
感覚や経験だけに頼るのではなく、データをもとに車両運用を最適化することで、燃料費の削減だけでなく、車両管理全体の効率化にもつながります。
モビリティデータの活用は、今後ますます重要になる分野です。車両データをベースとしたフリート管理は、燃料コスト対策の有力な選択肢と言えるでしょう。
まとめ
ガソリン価格の高騰が続く中で、燃料費はもはや外部要因として受け入れるしかないコストではなく、「いかにコントロールするか」が問われる経営課題へと変化しています。
その鍵となるのが、車両データの活用です。運転行動や車両の稼働状況を可視化し、データに基づいた改善を積み重ねることで、これまで見えなかった無駄を削減し、継続的なコスト最適化を実現することが可能になります。
さらに、燃料費の削減にとどまらず、安全性の向上や業務効率化、環境負荷の低減といった複合的な価値を生み出せる点も大きな特徴です。
今後、燃料価格の変動が続く中で、企業の競争力を左右するのは「データを活用できるかどうか」と言っても過言ではありません。フリート管理の高度化は、単なるコスト削減施策ではなく、企業経営を支える重要な戦略の一つとして位置付けられていくでしょう。
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